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読書感想文

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マナビノミカタは、読書感想文をよく書くためのサポートを行っています。 これからの国際社会で、自分の考えをまとめる力、それを人に伝える力の重要性はさらに高まります。本を読み、考え、文章を書く読書感想文は、その情報発信力を養う重要な役割を担っています。
ここでは、読書感想文の書き方のポイントを、四つご紹介したいと思います。

読書感想文をよく書くための四つのポイント

1.「感じる」「思う」「考える」

ポイント1

まずはじめに、読書感想文とは何でしょうか?
辞書によると、読書感想文は「本を読んだ感想や、自分の考えを述べた文章」とあります。 「感想」とは、「感じたこと」と「思ったこと」です。つまり読書感想文は、本を読んで、感じたこと、思ったことを整理して、考えて書くものです。

「感じる」とは、一番最初に受ける気持ちのこと。
「思う」は、心の動きのこと。
「考える」は、頭を働かせること。

例えば、宇宙に関する本を読んで、「宇宙っておもしろい!」と一番最初に浮かんだ気持ちが「感じたこと」、それを受けて、「ボクも宇宙に行きたいなぁ」と、いろいろ想像することが「思ったこと」、さらに「宇宙に行くにはどうすればいいかな?」と、筋道をたてて頭を働かせることが「考えたこと」です。

どれも、本を読んだ時に自然と頭の中で起こっていることです。 頭の中には、「感じる」「思う」「考える」という読書感想文に必要なものが既に入っています。あとはそれを整理して、頭の中から原稿用紙に書き出すだけですね。

2.メモを書いて、頭の中を整理整頓

ポイント2

頭の中を整理するにはメモを書くのが一番です。
さらに、シンプルな図形を使えば、散らかったものを収納ケースに納めるように頭の中がスッキリします。 読書感想文は型にはまらない個人の作文ですが、ここでは基本的な文章の組み立てパターンを一つご紹介します。 それが、文章を四つに分けて考える方法です。

メモ用紙に四つの大きな四角を書きましょう。

1には、本を読んで一番心に残ったことと、その理由。
2には、登場人物の紹介やあらすじなど、本の説明。
3には、本を読んで思い出した、自分の体験。
4には、登場人物と自分をくらべて自分がこれからしたいこと
を書きます。

「感じたこと」→「思ったこと」→「考えたこと」が、視覚的に整理できます。
これが、読書感想文の大事な骨格になります。
あとは、さらに文章を膨らませて、原稿用紙に書き出しましょう。

3.人に話して、考えを膨らませる

ポイント3

まっさらな原稿用紙にサラサラと、いきなり名文がかける人は、なかなかいません。

そんな時には、対話の力をかりましょう。

お父さんやお母さん、兄弟や、おじいちゃんおばあちゃん、友達や親しい先生。自分が好きな人に、読んだ本のことや自分の考えていることを話してみましょう。同じ言葉でも、紙に書いたものと声に出したものでは、後者がより思考が刺激されることが、ソクラテス式問答法としてもあきらかです。話すうちに、考えが膨らんで、頭の中がスッキリとしていきます。

ソクラテス問答法は、古代ギリシアの哲学者ソクラテスに由来します。ソクラテスは、偉大な思想を後世に残しましたが、一冊も本は書きませんでした。書きとめられた言葉よりも、話し言葉のほうが、自分の考えがより深まると知っていたからです。 彼の流れをくむ哲学者アリストテレスも、逍遥学派(しょうようがくは)として、歩きながら対話を重ね、弟子たちを教育していきました。

書きたくても手が動かない時は、口を動かしてみましょう。

4.貴重な体験と考える

ポイント4

一人で机に向かい本を読み、原稿用紙に鉛筆を走らせることだけが、 読書感想文の書き方ではありません。

読書感想文は、これから必要な情報発信力の基礎を作る演習の一つです。国際社会、情報社会と言われる昨今、子供たちは成長するにつれ、ますます世界規模で様々な人と接する機会が増えていきます。その時に、大切なのは自分の考えをまとめる力、それを人に伝える力、そして、自分の体験です。

読書感想文は、決してすぐに書ける課題ではありません。 本を読んで、考えをまとめ、原稿用紙に書いて、さらにそれを推敲する。いくつものプロセスからなる時間のかかる課題です。 成長期の子供の貴重な時間を費やす読書感想文。 その作成時間そのものを「貴重な体験」と考えてください。

ワクワクしながら本を選んだこと。
感動しながらページをめくったこと。
悩みながら考えをまとめたこと。
どうしても書けなくて、友達に相談したこと。
満足がいかなくて、何度も書き直しをしたこと。
そして、やっと読書感想文が完成して味わった満足感。

それらすべての体験が未来を生きる子供たちの貴重な糧となることを願っています。